大判例

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東京高等裁判所 昭和57年(行ケ)119号 判決

(争いのない事実)

一 本件に関する特許庁における手続の経緯、本件審決理由の要点、訂正審判手続の経緯及び訂正審決による減縮訂正後の本件発明の特許請求の範囲が原告ら主張のとおりであることは、当事者間に争いのないところである。

(本件審決を取り消すべき事由の有無について)

二 前記当事者間に争いのない事実によれば、本件審決は、本件発明の要旨を訂正前の特許請求の範囲に記載されたとおりと認定したうえ、本件発明をもつて、第一引用例及び第二引用例に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであると判断したものであるところ、その後、訂正審決が確定し、これにより、本件発明の明細書の特許請求の範囲は、前示のとおりに減縮訂正されたものであるから、本件発明の要旨は、特許法第一二八条の規定に基づき、特許出願当初から右訂正された特許請求の範囲に記載されたとおりのものであつたものとみなされる。そうであるとすれば、本件審決は、右訂正審決により審判の対象に変更があつたのにこれを看過して、本件発明の要旨の認定を誤り、その結果、訂正された本件発明が特許法第二九条第二項所定の要件に該当するか否かについて全く判断を示さなかつたことに帰し、右判断の遺脱が本件審決を違法ならしめることは明らかというべきであるから、本件審決は、この点において違法として取消しを免れない。

被告は、訂正後の発明も、本件審決で引用された第一引用例及び第二引用例の記載事項を組み合わせることにより、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第二九条第二項及び第一二三条第一項の規定により無効とすべきものであるから、本件審決に違法な点があるとはいえない旨主張するが、本件審決が違法であることは前説示のとおりであるから、被告の右主張は、採用することができない。

(結語)

三 以上のとおりであるから、その主張の点に判断を誤つた違法があることを理由に、本件審決の取消しを求める原告らの本訴請求は、その余の点について判断を加えるまでもなく、理由があるものということができる。よつて、これを認容することとする。

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